おくち・を・ちゃっく! (しない)

ぼざろについて思ったことを書きます。

「星座になれたら」を採譜して細かく感想を入れてみた 2. Aメロ, Bメロ

「星座になれたら」LIVE at 秀華祭 を採譜してみました。

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前回はこちら…… 

「星座になれたら」を採譜して細かく感想を入れてみた 1.イントロ - おくち・を・ちゃっく! (しない)

 

11-13小節目/「星座になれたら」LIVE at 秀華祭

Aメロ (0:20~)

11小節目

喜多ちゃんの歌い出しがD♭M7のコードの上に乗る9th(E♭)。鍵盤で示すと上下に音が密集しているので、慣れていないと音程がブレやすい(と思う)。もとから歌がうまかったことと、めちゃくちゃ練習したことに合わせて、Aメロ前のぼっちがエスコートしたE♭に導かれていると感じる。ぼ喜多だ……

それを支えるのは裏裏の効いたリョ虹の16ビート。ここの虹夏のバスドラが裏裏で入るのがカッコいいんだ……

12小節目

ここのコードの解釈には最後まで悩んだけど、C→B♭の動きがメロとベースで一致しているのでE♭7(13)かな。バッキングも2フレットずらして中指を外せば鳴るので意外と弾きやすい動き。

13小節目

2拍目の裏裏にハイハットのオープンを入れているのがテクい……

ドラムが同じフレーズ続けないだけでなく、Aメロにおいて奇数小節目のパターンが全部違っているところとか、"音がでけー"だけじゃない、大きくなった虹夏のドラムに対する造詣の深さがうかがえる。

14-16小節目/「星座になれたら」LIVE at 秀華祭
14小節目

喜多ちゃんが指板を押さえている位置が5フレットの大移動! それだけじゃなくて2弦12フレットを一瞬小指で押さえるFm(11)が私に刺さった……

そしてその後のぼっちが曲中によく使う、スライドを使ったフレーズを喜多ちゃんが弾くのも熱い。こういう技も後藤さんに教えてもらったりしていっぱい練習したんだろうな……

15小節目

頭1拍分伸ばすハイハットのオープン好き。その後のバスドラと同じタイミングでオープン*1になるハイハットも好き。この曲のドラムをコピーするとなるとハイハットのオープン・クローズが最難関だと思う……

17-19小節目/「星座になれたら」LIVE at 秀華祭
18小節目

Aメロで歯切れのいいカッティングをしていたぼっちが魅せる、ディストーションの効いた3度ハモ・3度下降のフレーズに一気に心奪われる。

リョウのベースが弾く8分音符のフレーズは、1小節Aメロを長くするための布石。

19小節目

Aメロの解決先は1小節伸びたA♭add9。どこにadd9(B♭)が入っているかというと喜多ちゃんのアルペジオアッパーストラクチャの5度重ねがきれい……

ここの指板が確認できなくてもどかしいけど、5弦開放のA♭を経由してローフレットのコードに移動していると思う。

そしてぼっちのフレーズと喜多ちゃんのアルペジオが合流しているのがとても良い……

20-22小節目/「星座になれたら」LIVE at 秀華祭

Bメロ (0:38~)

20小節目

喜多ちゃんの歌とギターがゆったりするところで、せわしなく動くぼっちの歯切れのいい16分のスタッカート。

ミュート音的なのにディレイを強くかけていていることも合わさって、星空を見上げたときのキラキラ感が感じ取れる。ちなみにこのフレーズが2番になったときの変化をよりグッと来るものにさせている。

リョウのベースはその裏で2度上昇。結束バンドの楽曲で全体的に表されている焦燥感が滲み出る。

虹夏のドラムはAメロと打って変わってハイハットが8分裏になっているけど、バスドラはAメロと同じ。

ギター二人が流れるようなフレーズを作る中、リズム隊の二人が16ビートを維持している。

23-25小節目/「星座になれたら」LIVE at 秀華祭
24小節目

「「いいや 僕は ずっと一人きりさ」」のカギ括弧……! ここは歌詞考察が深まるポイント。なげやりになった「いいや」なのか、全文を否定する「いいや」なのか……

ぼっちの作詞・喜多ちゃん歌唱のどっちに重きをおいても、もしくはこの両方にこだわっても可能性が満ちている。

韻踏み・対比・解釈の幅を一気に持ってくるフレーズを編み出す樋口愛さん天才……

26-27小節目/「星座になれたら」LIVE at 秀華祭
26小節目

D♭M7→Dm7(-5)の流れがしびれる。

鍵盤で弾いていても気持ちよかったのに、指使いの確認で弾いたギターでゾワッと来てしまった。ハーフディミニッシュってギターだとこう使うのか……

そしてその後はE♭sus4(7)→E♭。

E♭&B♭の上で動く、D♭&A♭の離れた関係からE♭&Gの3度にくっつく音符のことを勝手に結束バンドの4人だと思ってます(アルバム「結束バンド」のブックレットの右側参照)。現にぼっちが弾いているのもオクターブ奏法のA♭→Gだもんね!

このシーンで竿物3人が同じリズムを刻む中、虹夏のドラムが前に出る。

特に27小節目3拍目、16分遅れて入るスネアとシンバルがカッコいい。

いざやろうと思ってもなかなか難しい一打に込められた執念を感じる……

 

余談

「もうそこに一番星」の一番星ってどの星なんだろうな。

一般的には金星が一番星に挙げられることが多いけど、金星は惑星なので星座にはなれない。

だけど逆に満天の星空の中で、よく見ると他の星と異なる動きをしているという意味において物語性が生まれる。

一番星に対しての考察を深めてもいいし、素直に情景と内容を優先して考えてもいい。歌詞はそういうアソビがあってこそだと思うので……

 

↓Part 3↓ 

isoguin.hatenablog.com

*1:ハイハットのペダルはこのとき緩める必要があるので、バスドラを踏むペダルと左右で操作が逆になる。他のフレーズではバスドラの直前に左右同時に上げる事が多いので、意識的にこれがさっとできるのがカッコいい