おくち・を・ちゃっく! (しない)

ぼざろについて思ったことを書きます。

【ぼっち・ざ・ろっく!劇中歌「星座になれたら」】を採譜して細かく感想を入れてみた 5. ラスサビ, アウトロ

「星座になれたら」LIVE at 秀華祭 を採譜してみました。

www.youtube.com

ラストです……

前回まではこちら→ Part 1 Part 2 Part 3 Part 4

 

 

ラスサビ (2:16~)

70-73小節目/「星座になれたら」LIVE at 秀華祭
71小節目

全員のキメから一転、ギタボの喜多ちゃんと虹夏だけの時間がやってくる。

ここのギターのミュート5度とか、ぼっちが演奏しててもいいと思うんだけど、アドリブと最高に盛り上がるブリッジを終えたあと、一度深呼吸を入れるという演出を入れるというのが良い。

逆に静かサビでもずっと弾き続ける喜多ちゃんすごい…… セッションとしては、喜多ちゃんのリズムが崩れないようにという配慮なのかもしれない。

そしてここのドラムパターン。こういうとき、「ウンタンウンタカ」を繰り返しても良さそうなところだが、「ウンタンンタタンと16分音符前に出るリズムも入れている。

二人だけになって、ただ静かになるだけじゃない、ここからまた盛り上がっていくためのワクワク感を演出している。

 

74-77小節目/「星座になれたら」LIVE at 秀華祭
75小節目

ここでリョウのベースが合流。高くポーンと抜けた白玉が暗闇を照らす。

喜多ちゃんのミュート音と同じ音域まで来ているところでロングトーンを鳴らすという対比も良い。

77小節目

満を持してぼっちの合流。

喜多ちゃんのハイノートは上に抜けてからA♭まで下降、ぼっちはローフレットのアルペジオからハイノートのオクターブスライドへ…… ……ギター二人の対位法だ!!!!!

79小節目

ここからぼ喜多のギターが組んず解れつを始める。

これまで高い音でキラキラしたフレーズが多かったが、ここに来てクローズドなコードや低めのオクターブになるところとか、"遠くで光っていた星"という概念が、「星座になりたい」という歌詞とともに、自分(達)の手元に来て、地に足付いたような印象を受ける。

ぼっちのギターは喜多ちゃんのバッキングの中で抜けた低い三度や、高い基音の隙間に絡めて縫うようなフレーズになっている。これによって一気に音が厚くなり、展開が熱くなる。

ぼっちの音が喜多ちゃんの音に包まれながら、上に行ったり下に行ったり……胸熱展開……

 

81-82小節目/「星座になれたら」LIVE at 秀華祭
82小節目

ここの3拍目、これまでは明確に聞こえなかったG♭をぼっちが弾いている。したがってこのコードがE♭m7(11,13)である確信ができた。

リズムギターの音取りが難しく正確な音が採譜できていないと思うが、喜多ちゃんが小指でハイノートを組み込むところとかもっと評価されるべき……

 

83-84小節目/「星座になれたら」LIVE at 秀華祭
83小節目

またもやぼっちのギターと歌詞がリンクする。

「つないだ線」で1度-7度-6度と離れた音が縦の線で繋がり、「解かないよ」でグッと音が近づいて結びつける。

五線譜に書き起こすことで可視化されるとか、どういう発想だよ……

 

85-87小節目/「星座になれたら」LIVE at 秀華祭
85小節目

最後のキメ。喜多ちゃんのコードがこれまでE♭sus4(7)だったところに、1-5弦6フレットの全押さえという思い切ったぼっちのコードが入ることで、E♭sus4(7,9)になる。これがまた喜多ちゃんのコードとぼっちのコードが見事に絡み合って良いんだ……

そして 2:45、「君がどんなに眩しくても」のところの喜多ちゃんの表情が好きすぎる……皆見て……

最後の歌い上げで高まる中、"""後藤さんは凄くかっこいい"""を"""皆に見せられた"""って思いもあるし、ライブのあとにひとりちゃんを見つめて決心するのは「――貴方を支えられるような 立派なギタリストになるわね」である。

アニメや原作を見返すたびに脳が焼ききれて放心してしまう。今、理性を保っていられるのは楽曲を解読しなきゃという使命感があるからかもしれない。次に見返したとき、正気を保っていられる自信がない……

アウトロ (2:49~)

88-90小節目/「星座になれたら」LIVE at 秀華祭
87小節目

最後の最後まで気の抜けないフレーズが続く。

イントロと同じフレーズに戻って来ながら後半虹夏のドラムのパターンが変わっていて、8分でハイハットのオープンが繰り返されることで、"終わってしまう"という寂しさと切なさがこみ上げる……

91-92小節目/「星座になれたら」LIVE at 秀華祭
91小節目

最後の最後、ベースのフレーズもイントロと変わっている。挑戦的なイントロに対して、全体を包み込むようなアウトロのベースライン。ここまでオシャレでイケイケな16ビートを締めくくるのに、ドラムも派手に決めるわけではなく、フロアタムでベースの低音と締めるのもかっこいい。

そして最後のリードギターがE♭→A♭→B♭→Cと3rdで終わるのが儚さがあって良い。喜多ちゃんの弾くA♭M7がちゃんと伸びているからこそできる最後の音の広がりだと思う。

朝焼けを感じるシメだと思った。それで12話のサブタイトルの"朝が降る"の印象が強く残る。

 

終わりに

最初アニメを12話見終えたとき、最初は「なんかうまくハマれなかったな……」と思っていたのですが、星座になれたらの演奏シーン(特に喜多ちゃんの表情)と楽曲そのものがふと頭の中でリフレインして、「公式動画も上がっているし、もう一回見てみよう」と思ったときにはすっかりハマっていました。

今思えばこのぼざろ沼にハマるまいとした防御本能だったのかも知れません……。

 

それだけ『ぼっち・ざ・ろっく』と『星座になれたら』は自分の中で唯一無二の存在です。

また、アニソンって良いなと改めて思ったり、これまで遠い存在だと思っていたロックという概念にも興味が湧いてきました。

 

これにてひとまず完結ですが、LIVEではカットされている2番についてだったり、ここまでで取りこぼしている部分に気づいて拾いに来るかも知れません。

例えば冒頭のキタ~ンとか……

 

また、この形式でのブログは、鯵坂もっちょさんの「ようこそジャパリパーク」の採譜&感想ブログから着想をいただきました。

motcho2.hateblo.jp

最初はメロとコードを取っていたのですが、各パートの動きが気になったのと、4人分ならなんとかなるやろと思ってしまいました。今回バンドスコアの採譜をすること自体が初めてだったのですが、思っていた以上に大変でした……

 

↓前回まで↓

isoguin.hatenablog.com

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